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グラックの卵 

ハーヴェイ・ジェイコブズ/他 浅倉久志/編・訳国書刊行会

1950年から68年までに発表されたユーモアSFを、年代順に並べたアンソロジー。

「見よ!かの巨鳥を!」ネルスン・ボンド
冥王星の軌道上で発見された物体。 まるで羽ばたいているように見えるが…
ありうべからざる大きさ、ありうべからざる速さ。 目標は?目的は?
ブラウンの「気違い星プラセット」を思い出した。共通項は「鳥」ってだけですが…いや、トンデモ話を真面目に書くところそのものも共通しているのかも。

「ギャラハー・プラス」ヘンリー・カットナー
マッド・天才・アル中サイエンティストの話。
学はなくても一旦酔っ払えば天才、でもシラフに戻ればただの人。しかも酔っている間の記憶は全てなくしてしまう。
物語も楽しかったけど、最高は何といってもロボットのジョー。何ともキュートで魅力的で手に負えない~。はい、ロボット&人工知能には無条件で惚れます♪

「スーパーマンは辛い」シオドア・コグスウェル
スーパーマンって言ってもタイツ穿いてるアレじゃなく、超能力者集団、って意味。自らの優位性を保ち、予測される通常人の迫害を避けるために力を合わせるスーパーマンたち。しかしその結果は…
文明礼賛っぽいところはありますが楽しかった。スーパーマンなのに、妙に小市民的なところがかわいい。
ラリイ・ニーヴン「スーパーマンの子孫存続に関する考察」もスーパーマンゆえの辛さを書いた小説だったな、こっちはタイツはいてる方だけど(笑)。再読候補のトップに上げておこう。

「モーニエル・マサウェイの発見」ウィリアム・テン
才能皆無、自意識過剰で自信過剰、周囲から避けられて当たり前の「自称」画家マサウェイが、突然才能豊かな良識人になった理由は?
タイムパラドックスものだが、普遍のテーマを新しい切り口で料理している。普通「最初に誰が?」っていうのはうやむやにされがちだけど、曖昧ではあっても回答があるっていうのは珍しい。

「ガムドロップ・キング」ウィル・スタントン
ほのぼの系の小品。レイモンドは農場で変わった「お友達」と出会い、しばらく話をするうちに心に引っかかっている悩み事を打ち明ける。
結末がはっきりしない分、この後を思い巡らす楽しみが残る。
ついイジワルな笑みが浮かんでしまうのは大人の邪悪さか(笑)。

「ただいま追跡中」ロン・グーラート
私立探偵ビルは、ロボ・クルーザーで家出した依頼人の娘を追跡中。けれどもクルーザーが不調続き。結局不時着する羽目になり、そこで機械心理学者/精神分析医のディーピング博士と知り合う。
面白いのだけどちょい読み足りなさが残る。アイディアに頼りすぎかな?

「マスタースンと社員たち」ジョン・スラデック
事務仕事という地味な職業を背景にした、非現実的で無機質な言葉遊びの世界。…ダメです、どうも合いません。

「バーボン湖」ジョン・ノヴォトニィ
これは好み♪どうせ休暇を過ごすなら、こういう場所に本をいっぱい抱えて行きたい!…洋酒だけかな?日本酒もあればいいなぁ(笑)。

「グラックの卵」
ヒーコフ教授の遺言で、絶滅種である筈の「グラック」の卵を託されたハロルド。しかしその卵を狙う人物が…。お色気風味の利いた楽しい一篇。

しかし、最初の「見よ!かの巨鳥を!」の卵の壮大さ(大風呂敷)に比べて、「グラックの卵」の卵ちゃんの可愛らしいこと。黄金時代以降変転を重ねてきたSFではあるが、こうやって発表年代順に読んでみると、傾向がはっきりしてくる。
やっぱり自分には50年代あたりが向いているらしい…。

 

グラックの卵 グラックの卵
ハーヴェイ ジェイコブズ (2006/09)
国書刊行会
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