スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

サーカス団長の娘 

ヨースタイン・ゴルデル/著 猪苗代英徳/訳 NHK出版

幼い頃から孤独を好み、他人を心の中で操り、自分の作り上げた世界に没頭していたペッテル。物語は常に彼の脳内に湧き上がり、留まることを知らない…『ぼくの頭の中では、物語がひっきりなしに生まれている』のだ。
大人になった彼はそのアイディアを小説家(若しくは卵)に売り、生計を立てるようになるが、「君だけに譲るんだ」という決まり文句も顧客が増えるに従って信用されなくなり、次第に今では名を成した顧客たちの反乱に脅えるようになる。

主な粗筋はこうだけれど、作品そのものにはペッテルの創作した物語が随所に挟みこまれ、それだけでも十分に読み応えがあるのだが、別居していた両親それぞれとのとのかかわりや、女性たちとの付き合いも細かく描かれている。特に「生涯ただ一人の女性」マーリアとの出会いと別れと、折に触れ語られる「サーカス団長の娘」の物語は映像的。

しかし、もっともっと手放しで誉めたいのは山々だけど、それをすると帯の文句を考えた人と同じ過ちを犯しかねないのだ。この帯、しっかりネタバレしてるんですよ~。
いえ、読んでいるうちに何となく察することは出来るのだけど、「自分で何となく察する」のと「あ、あそこに書いてあったのはこのことなんだ」と腑に落ちちゃうのは全く別物だし。ラストの胸が痛くなるような余韻は、知らずに読んで完全に感情移入して味わうほうがずっといい。

私は先に読んだ人の感想でこのことを知り、被害を逃れた(笑)のだけど、この小説で先読み出来ちゃうのだけは勿体無い!と読了してつくづく思った。それ程に物語を読むことの面白さを堪能させてくれた小説でありました。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。