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素数の音楽 

マーカス・デュ・ソートイ/著 富永星/訳 新潮クレスト・ブックス

恥ずかしながら、私は数学が大の苦手である。公式が出てくると目が宙を彷徨い、虚数と聞くと脳の回路が一瞬にして停止してしまうのだ。

そんな私にですら、この本は数学の美しさと奥深さを垣間見せてくれた。「創造性あふれる芸術としての数学」「この世に醜い数学の安住の地はない」…
読後にはこれらの、歴史に残る数学者の言葉が真実味を持って伝わってくる。
そのような、調和の取れた音階で構成され、うっとりするようなシンフォニーを奏でる数の世界にありながら、その中心部に存在する「素数」は不規則である。無限であるか有限であるかすら分からない、ひとつの偶数を挟み、隣同士に並んでいるかと思えば、次の素数は遥かな彼方まで行かねば出会えない。

数学に美しさを感じる人々にとって、この「素数」がどのような存在であるのか、何故並み居る数学者が素数の謎に惹かれるのか。この本は1860年代に提唱され、いまだに証明されていない「リーマン予想」を中心に、古代ギリシャから現代までの数学の歴史と、偉大な業績を上げた数学者たちの生涯とを絡めて描き上げている。数学アレルギーだろうがなんだろうが、美と情熱に溢れた、最高に面白く魅力的な作品だった。

勿論自分にはここで扱われている理論を理解するのは不可能だけど、数学者達が数に感じる「至上の美・天空の音楽」というものが漠然とではあるがわかったような気がする。
しかし…
頭で理解は出来るものの、自分でその美しさを実感することは出来ない。そう、満場の聴衆の中、ただ一人耳栓をつけたまま素晴らしいオーケストラの演奏を聴いているような気分だ。子供の頃からの算数嫌いがこんなところで祟るとは。

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