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黒い時計の旅 

スティーヴ・エリクソン/著 柴田元幸/訳 白水Uブックス

ナチスドイツが滅びなかった世界を描いた“イフ”もの…との先入観で読んだのだけど、最初から面食らいました。父親を知らないまま育った、真っ白な髪の青年の話から始まり、次は一転して、両親や兄弟たちと暮らしながらも、常に招かれざる訪問者でしかなかったバニシング・ジェーンライトの少年時代が語られる。このふたつの話の合間に挿入された語りの意味がわかるのは読了後になってから。

世界の中心の、その人物を語っていてすらも、政治や国際情勢は、ありきたりの市井の人々の目線で語られるのみ。この書き方がまず新鮮で強く惹きつけられます。あとはもう、ただひたすら読む、無心に読む。この世界観にどっぷりとはまり込む。こんなに集中したのは久しぶり。時間は錯綜し、精緻に編み上げられた物語に幻惑される…本読みとして至福の時間を過ごしました。

これだけの複雑な物語でありながら、混乱することなく一気に読めたのは、翻訳の力も大きいでしょう。次に読むエリクソンも絶対柴田氏翻訳の作品!

これは一読では満足出来ないので、所蔵本にすべくさっさとネット書店に注文しました(読んだのは図書館から借りたハードカバー)。これは何度読んでも飽きない。何度でも読み返したい本であります。

黒い時計の旅 黒い時計の旅
スティーヴ エリクソン (2005/08)
白水社
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