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山椒魚戦争 

カレル・チャペック/著 栗栖継/訳 ハヤカワSF文庫

スマトラ諸島の小島で、謎の生物が発見される。両棲で人懐こい、山椒魚に似ているが直立歩行するそれらを発見したヴァン・トフ船長は、真珠とりに山椒魚たちを使おうと思いつく。
最初は動物を飼いならして使役する程度のことだった筈なのに、山椒魚たちは言葉を話し出し、農業は山椒魚用の食物生産に依存、知識人たちは山椒魚の権利を確立すべく運動を始め、企業は海の開発のために山椒魚に機械や爆発物を提供し…
全ては終末に向けて必然的に進んでいく。巻末にチャペックが書いているとおり、不可避であろうラスト。個人的に風刺的な作品はあまり好みではないのだが、そんなことは言っていられない、面白くて止められないのだ。
この小説は1936年に書かれたため、各国の主張は当時の世相を反映したものとなっているが、人間の行動は政治情勢がどうあれ結末は変わらないんじゃないだろうか?舞台を現代に移しても、やっぱりこの道を進むことになるんだろうな…。
第二次大戦前夜のナチスの脅威を描いたとされるこの小説だが、今ではあまり感じ取ることが出来ない。どちらかといえば、何時の時代だろうと人間のやることって変わっていないんだな…と思う。やはり作者の執筆動機がなんであれ、どんな時代であれ、普遍性の高い物語なのだろう。

ドイツとロシアで出版された翻訳では、自国に都合の悪いくだりは削除されているらしい。なんかこれ読むと理解できるなあ。日本はその頃まだヨーロッパでは重要視されていなかったので、削除したくなるほどの描かれ方はしていない。お陰で完訳で読めるのである…嬉しいけれどちょっとフクザツかも(笑)。

山椒魚戦争 山椒魚戦争
カレル チャペック (2003/06/13)
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