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家守綺譚 

梨木香歩/著 新潮社

 ボートで湖に出たきり帰らぬ人となった同級生の家族が引っ越すことになり、残った家の守として住み込むことになった、駆け出しの文筆家征四郎。しかしこの家が只者ではない。庭の百日紅に懸想される、床の間の掛け軸からは亡きこの家の息子高堂が尋ねてくる。池には河童、近所の川には川獺。拾った野良犬は有名な仲裁犬となり、遠くからもお呼びがかかる。物の怪に出会うたびに驚く征四郎に、隣家の細君や編集者の後輩は「常識ですよ」と諭すのだ。この飄々とした雰囲気が楽しい。人間も物の怪も死者も、この家ではあたりまえに共存している。物の怪たちもごく自然に生活に溶け込んでいるので、自己主張の強い悪戯などはしないのである。八百万の神々は彼らもを守っているのであろうなあ。他の登場人物たちも生き生きして、無理せず慌てず驚かず…長虫屋がいいですね、物の怪よりも謎(笑)。明治という舞台設定を生かした、浪漫溢れるファンタジーでありました。普段馴染みの薄い日本物の小説ですが、こういう世界ならばすんなりと楽しめるのです。

 

家守綺譚 家守綺譚
梨木 香歩 (2006/09)
新潮社
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