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幼き子らよ、我がもとへ 

ピーター・トレメイン/著 甲斐萬里江/訳 創元推理文庫

 

前作でも感じたのだが、なぜこのシリーズを第一作から翻訳刊行してくれないのだろう?出版社側は「第4作が一番読み手の興味を引き付ける」と考えたらしいが、シリーズは第一作で主要人物や背景の大まかな説明、その後次第に深く、その時代や登場人物に入り込んで行く過程を楽しむのが醍醐味ではないのか。せめて次の刊行は第一作に戻って欲しい。そしたら順を追って読み直すから。



で、今回はシリーズ第2作。

 

モアン王国の後継者である兄の依頼で、修道院でおきた殺人事件を調査することになったフィデルマ。折しも国内には疫病が蔓延しており、彼女は旅の途中で「疫病を阻止するため」と称した虐殺を目撃、運良く生き延びた数人の子供たちを保護する。


相変わらず性格的に不愉快な(笑)主人公フィデルマではあるが、物語はやはり面白い。

時代背景の興味深さと現代でも先進的といえるであろう法律、キリスト教と土着のケルト信仰の融合と反発。 このあたりをもっと詳しく説明しているであろう第一作がさらに読みたくなる。
それでも話の筋を追うのには問題なし、ミステリとしても読み応え充分。入り組んだ人間関係や国内情勢もすんなりと頭に入るのは著者の筆力ですなー。満足満足。

 

 

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ブランディングズ城の夏の稲妻 

P・G・ウッドハウス/著 森村たまき/訳 国書刊行会

 

文藝春秋の「エムズワース卿の受難録」も面白かったけど、こっちは個人的に好みの長編である。期待も高かったのだけど今回も満足、まんぞく。

やはりゆったりとした展開、策を弄しすぎてにっちもさっちも行かなくなる登場人物の可笑しさって長編ならではなんですよね。現代では間延びしている、まだるっこしいと感じられてしまうのかも、とは思うけど。

 

エムズワース卿と恐怖の叔母様レディー・コンスタンス、何故か繰り返し雇われては消え去る秘書バクスター。そういえばバクスターって、かの名作「ブランディングズ城を襲う無法の嵐」でもひどい目にあってほうほうの体で逃げ出したのだったな(笑)。

 

今回は甥のロニーと姪ミリセントのそれぞれの恋愛模様が絡み合い、バクスターと探偵パーシーの小悪党が小賢しさを競い、誤解と欲望と陰謀の人間模様が展開されるのである…まあ皆さん揃いも揃って単純ですこと(笑)。そしてそこに花を添えるのが素敵に格好いいギャラハドおじさま。このギャリー叔父はこの作品から登場し、即この城に無くてはならない人物としてシリーズに君臨するそうである。

 

この優雅なおじさまの活躍をもっともっと読みたいものだ。このあと「ブランディングズ城は荒れ模様」も予定されているが、是非これからもどんどん出し続けて欲しい。…値段もさることながらこの大きさを考えると頭が痛いのだけれど。もうそろそろ専用書棚を用意せねばなるまいか。

 

ブランディングズ城の夏の稲妻 (ウッドハウス・スペシャル) ブランディングズ城の夏の稲妻 (ウッドハウス・スペシャル)
P.G.ウッドハウス (2007/09)
国書刊行会
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